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自身のツイッター内容のまとめ (脱出駅 EPISODE 4)

「見えないもの」を形にする

前回の記事「脳内情報をアウトプットする」の続きのような記事です。

 

「空気を読めない」「気が利かない」と私はよく指摘されます。

自分が発達障碍者だからなのか。それともただ単に社会人スキルが足りないからなのか。私は空気を読むという行為が苦手です。そしてその件で悩んでいるのは私だけではないと思います。

空気を読むという努力を怠ってはいけないとは思いますが、それと同時に「空気を読める人でも読めない人でも一定のサービス提供が出来るようなシステム」が必要だとも私は思います。私がそう考えるのは、医薬品の製造工場に携わった経験からきています。

医薬品の製造において、新入社員の作業とベテランの作業で品質が著しく異なるような医薬品が出来るとしたら、それは大問題です。医薬品は、人命に関わる商品なので、製造の作業員が新入社員であっても、ベテランであっても、絶対安心して服用できる一定の範囲内の品質の製品が生産されるようなシステムが構築されています。

それと同じように、空気を読める人と空気を読めない人との間でサービスの質が著しく異なるという事実が当たり前のように捉えられているのはどうなんだろう?と、私は考えています。

 

では、空気を読めない人が、お客様の要求を満たす程度のサービスを提供するためにはどうするか?

そのカギは見える化」「聞こえる化」にあると私は思います。

 

私が勤めている会社の話です。

社長のお客様が来社されたとき、お客様を社長室にご案内します。お客様へお茶をもてなします。問題はその先です。社長とお客様との打ち合わせが長引いたとき「お茶のおかわり」をいつ持っていけば良いのか?ということが私にとっては切実な問題でした。

ワザワザ社長室に入って確認するワケにはいきません。「空気を読む能力」が要求されるワケです。優秀な方ですと絶妙なタイミングでサッと持っていきますが、私のように空気が読めない人はもうそれだけでお手上げ状態です。

 では、どうするか? 

 

お茶だしのタイミングの「聞こえる化」です。

 

 私のような人間のために、予め社長室に「押しボタン」が設置されました。お客様と打ち合わせしている時、社長がここだ!と思ったタイミングでボタンを押します。ピンポーンと音が鳴ります。「お茶のおかわりのタイミングだぞ」という社長からの合図です。そのタイミングで外部の人間はお茶のおかわりをおもてなしすれば良い。これで空気を読む必要はなくなり、その結果、余計なストレスを抱える必要もなくなります。ファミリーレストランの「呼び出しボタン」と同じですね。この対策は私にとって大変ありがたいものでした。

人間の意思表示を「見える化」「聞こえる化」することはとても大切だと思います。よく考えてみると、ファミリーレストランの呼び出しボタンって、お客様の意思表示の「聞こえる化」の代表であり、とても優秀だと思います。「呼び出しボタン」の存在は、社会の中でもっと広まってイイと思う。

例えばコンビニエンスストアでも店員さんが商品の陳列・在庫確認をしている作業をしながら「お客様、待たせているかな?大丈夫かな?」とビクビクしながら、チラッチラッとカウンターを覗き見る行為が見受けられます。そういった空気を読まなければならないということが要求されるという現実も、私個人としてはチョット疑問に思います。「御用の方はボタンを押してください」という呼び出しボタンをカウンターのど真ん中に置く、ただそれだけで十分だと私は考えています(治安上の問題は残りますが)。

 

 

サービスだけではなく、自分や身近な人の悩み・苦しみも、一度全部形にすることは有効だと私は思っています(ケースバイケースではありますが)

続いて、私の妻の話。

妻は保育士をやっています。妻はつい先日まで、「時間がない」「もっと余裕が欲しい」という悩みを抱えていました。本人の中では「こうしてみたい」という想い(答え)はあるのですが、イマイチ踏ん切りがつかないような状態。それは「気持ち」が形になっていないからだと判断しました。そこで、前回の記事「脳内情報をアウトプットする」という記事の通り、妻に、自分の現在の悩みを全て書いてもらいました。それが下記の通り。

(インターネット上への投稿について、妻から了解を得ております)

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ストレス

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時間

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今後の流れ

まとめてみて、妻と細かく対話を重ねてみた結果、「時間がない」のではなく、どうやら仕事時間が「不規則」であるという事実がストレスの根本だったようです。不規則であるがゆえに、先々でのスケジュール管理に不安が生じ、将来的に子供が出来たときに管理しきれるのか?という不安があったようです。彼女にとっては仕事がキツいとか、給料が安いということ以上に「時間」のコントロールが出来ないことが切実な問題だったということです。

こうして導き出された答えは「来年3月までは仕事先の子供の面倒を見て、新体制になったときにパート先の会社を見つけて転職する」という結論に至りました。

また、さらに対話を重ねて形にした結果、彼女にとっては「色々な人と出会い、話したりコミュニケーションをとる」という行為こそがストレス解消になっていることも理解しました。そうなると、パートをするにしても1社固定では彼女のベストパフォーマンスを発揮することは出来ない可能性がある。そうなると2社もしくは3社掛け持ちした方がむしろ彼女にとって良いと判断しました(但し彼女の体力とも要相談)。

こうして悩みを形にして2人で話し合ったことによって、彼女も自分の状態に納得し、気分が楽になったと喜んでくれました。これで完全解決!とは言い切れませんが、当面の間はこれで様子をみていきたいと思います。来年3月いっぱいで退職し、パートの仕事を見つける。まずはその方向で動きます。

また迷い始めたり、新たな不安がある、パート先が見つからない等、仮にまた別の問題が生じたときは、前もって対策を立てて、こうして悩み事項を形にして軌道修正していきます。

 

生活において、またはビジネスにおいて、「空気を読む」「気が利く」「見えないものを感じ取る」という力を「強制」したり、見えないものを感じ取る能力があることを「前提」にして事を進めたりなど、「気を遣う・空気を読むのは当たり前でしょ!」という“日本の常識”に対して、私は疑問を提示していきたいです。

夫婦間においても「夫婦なんだから、分かるでしょ!」という押し付けも、私はちょっと待って!と申し上げたい。配偶者も仕事その他の活動で疲れやストレス、健康状態は刻一刻と変化し、見えないものを感じ取れる時もあれば、見えないものを感じとれない(感じ取る余裕がない)時もあります。そういう時は、相手の状況を尊重したうえで、負担にならないように、そっと口に出してみたり、形にしてみた方が良いと私は思います。

誤解のないように補足させて頂きますと、「空気を読む」「気が利く」「見えないものを感じ取る」という能力は必要ない!と否定しているワケでは決してございません。日本の社会の中では「あって当たり前」「社会人として常識」と捉えられがちですが、本来はとても“希少で素晴らしい能力”だと思っています。

 

私の意見をまとめますと、

「空気を読めない・気が利かない・感じ取れないヤツは使えない」という社会ではなく、「空気を読める・気が利く・見えないものを感じ取れる人は素晴らしい」という社会であってほしいのです。

そのための足掛かりとして、まず「見えないものは、出来る範囲、形にしていきましょう!」という活動もっと活発にしていけたらイイなと私は思っています。